臨床精神医学第49巻第9号
COVID-19 の精神科救急と感染症病棟からのレポート
電子書籍のみ
- 西岡 遥・他(豊島病院)
- 発行日:2020年09月28日
- 〈抄録〉
COVID-19の感染拡大が続く中,精神科救急の現場においても対応が必要となっている。豊島病院は東京都夜間休日精神科救急事業において,精神保健福祉法23 条(警察官)通報による緊急措置診察・入院対応を行っているが,COVID-19または疑い例対策として,診療にあたるスタッフのフルPPE,病棟のゾーニングなどを院内感染対策チームの助言を受けながら実施している。これまでにCOVID-19確定患者の扱いはないが,経験した疑い例について特徴をまとめた。また,第二種感染症指定医療機関である当院感染症病棟における感染拡大初期からのCOVID-19対応について,精神科専門研修を控えた初期研修医の視点から報告した。感染症病棟でみられた精神症状としては,未知の感染症に対する不安のほか,重症肺炎後の回復期におけるせん妄,長期入院に伴う適応障害などが主だった。面会できない家族との連絡にはWi-fi環境が役立ち,入院中のメンタルヘルス維持に有用だった。また,こうしたパンデミック状況での医師患者関係の変容について触れた。
詳細
Psychiatric emergency services for the patients with COVID-19 and a report from the infectious disease ward in Toshima hospital
西岡 遥*1 足立 拓也*2 尾﨑 茂*1
*1 東京都保健医療公社豊島病院精神科
*2 同 感染症内科