肝胆膵第81巻第4号
抗PD-1/PD-L1抗体や抗CTLA-4抗体併用のrationale
電子書籍のみ
- 南 康範,他(近畿大学)
- 発行日:2020年10月28日
- 〈要旨〉
海外も含めて承認を得ている免疫チェックポイント阻害剤は,抗CTLA-4抗体,抗PD-1抗体,抗PD-L1抗体であり,腫瘍細胞の免疫エスケープ機構である免疫抑制性補助シグナル(B7/CTLA-4経路,PD-1/PD-L1経路)のブロックによって,T細胞活性化の抑制解除が免疫チェックポイント阻害剤の共通する作用である.抗CTLA-4抗体と抗PD-1/PD-L1抗体では作用点や作用機序が異なるため,併用療法での腫瘍縮小と予後延長の相乗効果が期待できる.また,抗VEGF阻害剤との併用では免疫抑制的な腫瘍微小環境の改善から治療効果の向上が見込まれる.ただし,免疫関連有害事象(irAE)の相乗副作用も含めて併用療法におけるエビデンスの集積はまだはじまったばかりであり科学的検証が必要である.
詳細
The rationale for the combination of anti-PD-1/PD-L1 and anti-CTLA-4 antibodies
南 康範 工藤 正俊
近畿大学医学部消化器内科