肝胆膵第81巻第4号
アテゾリズマブ＋ベバシズマブ併用療法（IMbrave150）の総括
電子書籍のみ
- 池田 公史（国立がん研究センター東病院）
- 発行日：2020年10月28日
- 〈要旨〉
切除不能肝細胞癌の一次治療例を対象として，アテゾリズマブ＋ベバシズマブ併用療法（ATZ＋BEV）は，ソラフェニブ（SOR）と比較した第Ⅲ試験（IMbrave150試験）において，有意に良好な生存期間，無増悪生存期間，奏効割合が報告された1）．その後，patient-reported outcome の解析でもATZ＋BEVのQOLにおける有用性が示され，ATZ＋BEVの有害事象詳細報告やATZ＋BEVで完全奏効例の特徴，中国人コホートなど，興味深い検討結果が報告されている．また，network meta-analysisではレンバチニブやニボルマブと比較して良好な遠隔成績も報告された．ATZ＋BEVは，肝細胞癌の薬物療法においてpractice changingな治療法であり，今後もさまざまな治療成績の報告が期待されている．
詳細
Summary of combination therapy of atezolizumab and bevacizumab (IMbrave 150)
池田 公史
国立研究開発法人国立がん研究センター東病院肝胆膵内科