肝胆膵第81巻第4号
WNT/β-catenin変異と免疫チェックポイント阻害剤の治療抵抗性–EOB-MRIのbiomarkerとしての可能性–
電子書籍のみ
- 工藤 正俊（近畿大学）
- 発行日：2020年10月28日
- 〈要旨〉
WNT/β-catenin変異のある肝細胞癌はCCL5低下を介して樹状細胞やCD8陽性細胞の癌細胞への浸潤を減少させるため，Immune exclusion classに分類されている．それと同時にWNT/β-catenin変異はOATP1B3を誘導することが知られ，EOB-MRIの肝細胞相にて等～高信号を示すことも知られている．さらにWNT/β-catenin変異のある肝細胞癌は免疫チェックポイント阻害剤の効果がないことが知られている．したがってEOB-MRIはWNT/β-catenin変異と免疫チェックポイント阻害剤にて抵抗性を示す肝細胞癌のimaging biomarker となる可能性がある．
詳細
β-catenin mutation and resistance to immune checkpoint inhibitor therapy: EOB-MR as a potential imaging biomarker
工藤 正俊
近畿大学医学部消化器内科学