肝胆膵第80巻第6号
膵・胆管合流異常の外科的マネジメントと長期予後
電子書籍のみ
- 清水 康博，他（横浜市立大学）
- 発行日：2020年06月28日
- 〈要旨〉
膵・胆管合流異常は膵管と胆管が十二指腸壁外で合流する先天性の形態異常である．長い共通管を有するため乳頭括約筋の作用が及ばず，膵液と胆汁の相互逆流による種々の病態を呈し，長期経過後の胆管癌の発生が問題となる．診断されれば手術適応であり，予防手術として胆管切除・胆道再建もしくは胆嚢摘出が行われるが，その術式選択や胆道再建方法にはcontroversialな点が多い．遺残胆管癌や晩期合併症である胆管炎・肝内結石の予防には，過不足ない胆管切除と良好な胆汁ドレナージを確保する胆道再建が重要である．術後肝内結石に対しては経口内視鏡や胆道鏡によるアプローチが重要であり，新たな経口胆道鏡による砕石も有効と考えられる．
詳細
Surgical management and long-term outcomes of pancreaticobiliary maljunction
清水 康博 松山 隆生 中山 岳龍 三宅 謙太郎 藪下 泰宏 本間 祐樹 熊本 宜文 遠藤 格
横浜市立大学医学部消化器・腫瘍外科学