肝胆膵第80巻第6号
新たなPBC治療標的分子の同定の試み
電子書籍のみ
- 下田 慎治（九州大学）
- 発行日：2020年06月28日
- 〈要旨〉
PBCは抗ミトコンドリア抗体の疾患特異的な出現と肝内小型胆管の慢性非化膿性破壊性胆管炎の出現を特徴とする．これまでに胆汁酸による障害を緩和する治療が主流であり，免疫異常へアプローチする治験は失敗が続いてきた．近年胆道系酵素が上昇する前に免疫異常・胆管炎が存在することが明らかになり，新たな治療戦略が必要になっている．今後は発病初期に免疫異常へアプローチすることで，良好な予後を得ることが可能な集団を抽出することが求められる．また，線維化が進行した症例へは胆汁酸や免疫異常による障害を緩和する治療開発よりも，直接線維化を緩和する治療開発が望まれる．
詳細
An approach to identify new therapeutic target molecules
下田 慎治
九州大学医学部大学院医学系学府病態医学専攻病態修復内科学