肝胆膵第80巻第6号

胆嚢・胆管病変に対するEUS-FNA-適応と有用性-

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  • 花田 敬士,他(JA尾道総合病院)
  • 発行日:2020年06月28日
  • 〈要旨〉
    従来から,胆道病変における良・悪性の鑑別診断には,主に内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)を用いた経十二指腸乳頭的アプロ-チによる胆汁細胞診や胆管生検が施行されてきたが,正診率はやや低率であった.一方,超音波内視鏡(EUS)は画像分解能に優れており,胆道病変の鑑別診断に有用である.近年の乳頭部病変,胆嚢・胆管病変に対するEUS-FNAの成績では,良好な感度,特異度,正診率が報告され,ERCPを用いた病理学的診断の補完的な役割が期待されている.他方,胆道疾患に対するEUS-FNAでは,胆汁漏出による播種の危険があるため,個々の病態を十分に考慮し適応を決定する必要がある.また今後,遺伝子パネル検査に対応し得る至適なEUSFNAの方法論の確立が求められる.

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Indications and values of EUS-FNA for biliary diseases
花田 敬士*1 清水 晃典*1 栗原 啓介*1 横出 正隆*1 池田 守登*1 矢野 成樹*1 奥田 康博*1 田妻 進*1 神田 真規*1 佐々木 健 司*1 米原 修治*2
*1JA 尾道総合病院消化器内科
*2同 病理研究検査科