肝胆膵第80巻第5号
HCV診療における肝線維化の血清マーカー
電子書籍のみ
- 椎名 正明，他（新百合ヶ丘総合病院）
- 発行日：2020年05月28日
- 〈要旨〉
肝疾患診療において血液検査は最も汎用性の高い検査であり，本特集のテーマである門脈圧亢進症（門亢症）はもとより，各種肝病態の評価が可能な血清マーカーの探索と検証は重要である．本邦では門亢症診断にHVPG測定を行う施設は稀であり，脾腫，静脈瘤など側副血行路の有無，超音波ドプラによる遠肝性血流で評価しているのが現状だろう．一方でBaveno criteria で取り上げられている血液検査項目といえば，血小板数のみであり，それも除外基準である．本稿では“門亢症＝進行性肝線維化・肝硬変”と仮定して，主にC型肝炎で用いられてきた血清マーカーを取り上げる．また，当院の知見を提示するとともに今後の展望について述べることにする．
詳細
Serological markers for liver fibrosis in the treatment of HCV
椎名 正明＊1 國分 茂博＊2
＊1新百合ヶ丘総合病院肝臓内科
＊2同 肝疾患低侵襲治療センター