肝胆膵第80巻第5号
DAA後の肝・脾硬度変化-超音波elastographyによる測定から-
電子書籍のみ
- 古市 好宏(新座志木中央総合病院)
- 発行日:2020年05月28日
- 〈要旨〉
Direct acting antivirals(DAA)の登場により,C型肝炎ウイルスに対する高率なSVRが得られるようになったが,門脈圧亢進症に寄与する影響は明らかになっていない.そこで超音波elastographyによる,肝・脾硬度測定の観点から文献を検索し,自験例と照らし合わせて検討した.①DAA後には肝硬度が低下するが,これは肝内炎症の沈静化と線維化改善が影響していると考えられる.②DAA後には脾硬度が低下する症例割合が高い(自験例74.1%,文献例68.7%).門脈圧亢進症が改善した結果と考えられる.③しかし,clinically significant portal hypertension症例や巨大脾腫合併例ではDAA後に脾硬度は改善しにくい.これらの症例では門脈圧亢進症改善にまで時間を要する可能性が高い.
詳細
Change of liver and spleen stiffness after DAA treatment –from US elastography calculation–
古市 好宏*1,2
*1新座志木中央総合病院消化器内科
*2東京医科大学消化器内科学分野