肝胆膵第78巻第6号
HBV RNAの転写を抑制する新規化合物ニタゾキサニドとペボネディスタットの同定
電子書籍のみ
- 大塚 基之，他（東京大学）
- 発行日：2019年06月28日
- 〈要旨〉
B型肝炎に対する核酸アナログは効果も高く安全でよい薬であるが，服薬を中断できない点やHBs抗原量の低下を得られにくいなどの欠点もある．そこで，核酸アナログとは異なる機序をもつ抗ウイルス薬の開発が世界中で進められている．本稿では，われわれが見いだしたcccDNAからのウイルスRNA転写発現を抑制する二つの化合物，ニタゾキサニドとペボネディスタットの同定の経緯などについて紹介する．これらの化合物は核酸アナログとは異なる機序でウイルスRNAあるいはHBs抗原を含むウイルス蛋白の発現を抑制するため，新たな抗B型肝炎ウイルス薬としての可能性を秘めていると考えられる．
詳細
Identification of nitazoxanide and pevonedistat as suppressors of HBV RNA transcription from cccDNA
大塚 基之 關場 一磨 船戸 和義 小池 和彦
東京大学大学院医学系研究科消化器内科