肝胆膵第78巻第6号
肝発癌高危険群
電子書籍のみ
- 神田 達郎，他（日本大学附属板橋病院）
- 発行日：2019年06月28日
- 〈要旨〉
本邦の原発性肝癌の少なくとも約15％にはB型肝炎ウイルス（HBV）の関与が認められる．HBV感染者の肝癌高発癌危険群を明らかにすることは，効率的に肝癌スクリーニングを行い，本邦の肝癌を減らしていくうえで非常に重要である．男性，高齢，肝癌家族歴，肝硬変，飲酒歴，AFP高値，ALT高値，WFA＋－M2BP高値，HLA-A＊33：03などの宿主因子と高HBV DNA量，HBeAg 陽性，HBVジェノタイプC，コアプロモーター（BCP）変異，HBcrAg高値，HCVやHIV重感染などのウイルス因子が肝発癌危険因子として知られている．B型肝発癌の代表的な予測式やリスクスコアが報告されている．B型肝炎患者からの肝発癌高危険群を囲い込むより高感度なバイオマーカーの開発が急務である．
詳細
Prediction and risk factors for HCC occurrence in HBV-infected patients
神田 達郎 松本 直樹 水谷 卓 金澤 芯依 熊川 まり子 樋口 晃久 楡井 和重 山上 裕晃 松岡 俊一 森山 光彦
日本大学医学部附属板橋病院消化器・肝臓内科