肝胆膵第78巻第6号

HBV integration

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  • 朝比奈 靖浩(東京医科歯科大学)
  • 発行日:2019年06月28日
  • 〈要旨〉
    核酸アナログ薬により90%超の症例でHBVの複製制御が可能となったが,HBV制御下においても肝発癌は完全には抑制されず,肝癌死亡者数に占めるB型肝癌の割合は減少していない.HBV感染のearly eventとしてHBV DNAの宿主ゲノムへの組み込みが高率に起こり,肝癌ではTERT遺伝子やMLL4遺伝子などの特定の癌関連遺伝子やそれらのプロモーター領域に高頻度で,HBV側はHBx遺伝子の3’領域にヒト-HBVゲノムのjunction pointが集中している.これらHBV integrationは挿入突然変異や宿主ゲノムの不安定性を惹起し肝発癌に関与すると考えられている.さらに,HBVゲノムの組み込みにより,ウイルスとヒトの融合遺伝子が生じ,その翻訳産物の癌化や線維化への関与も推測されている.近年,次世代シークエンサーなどゲノム解析技術の進歩により,HBV integrationが関わる肝発癌機構が明らかとなりつつあり,今後新規の治療薬や予防法の開発が期待される.

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HBV integration in hepatocellular carcinoma
朝比奈 靖浩
東京医科歯科大学消化器内科・肝臓病態制御学講座