肝胆膵第77巻第4号
サルコペニアと運動療法
電子書籍のみ
- 高橋 宏和，他（佐賀大学）
- 発行日：2018年10月28日
- 〈要旨〉
運動療法はサルコペニアの改善に有効であると考えられている．慢性肝疾患に合併するサルコペニアは肝病態との関連を認め，サルコペニアを治療標的とした運動療法の有効性が期待されているが，十分なエビデンスに不足している．また肝病態に対する運動療法効果へのサルコペニアの関与は明らかとなっていない．一方で運動療法は肝硬変や非アルコール性脂肪性肝疾患などの肝関連病態やQOLを改善するため，安全性を考慮した積極的な運動療法の実践が必要である．また骨格筋-肝臓の臓器連関を介して，運動療法がサルコペニアと肝病態の双方にポジティブな影響を与える可能性があり，今後の研究が期待される．
詳細
Exercise training effect on sarcopenia in chronic liver disease
高橋 宏和＊1,2 江口 有一郎＊1
＊1佐賀大学医学部肝疾患センター
＊2同 肝臓・糖尿病・内分泌内科