肝胆膵第77巻第4号
肝硬変患者におけるサルコペニアとマイオスタチン
電子書籍のみ
- 西川 浩樹,他(兵庫医科大学)
- 発行日:2018年10月28日
- 〈要旨〉
肝硬変患者では,分岐鎖アミノ酸の減少,アンモニアの高値,性ホルモンの代謝異常などを介して,筋蛋白の合成を障害するためサルコペニアの合併率が高く,さらにサルコペニア合併患者での予後が不良であることが多くの報告で示されており,サルコペニアは肝硬変患者において重要な疾患概念と思われる.2016年には肝疾患に特化したサルコペニアの診断基準が,日本肝臓学会から提唱された. 一方,筋肉から放出されるサイトカインの一種であるマイオスタチンは筋蛋白の合成を抑制する作用を有するとされ,われわれの198例の肝硬変患者を対象とした検討で,マイオスタチンが予後因子となることが示された.マイオスタチン高値例(予後不良例)への治療的介入方法の確立が急務である.
詳細
Sarcopenia and myostatin in liver cirrhosis
西川 浩樹 榎本 平之 西口 修平
兵庫医科大学肝胆膵内科学講座