臨床精神医学第47巻第2号

グローバリゼーションの負債-貧困・高齢の都市生活者に見える風景-

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  • 西川 隆(大阪府立大学)
  • 発行日:2018年02月28日
  • 〈抄録〉
    高度資本主義経済のグローバル化は逆説的に文化の多様化と相対化,商品化をもたらし,共有しうる展望を見失った社会には,実体的価値に基づかない恣意的な情報で操作された商品が溢れ,刹那的な欲望が際限なく掻き立てられる。そのような社会で人間は生産者から消費装置へと疎外され,主体性を維持することが困難となって疲弊していく。社会の発展に伴う歪みは都市の一部に極端な形で現れる。大阪のA地区における単身化,貧困化,高齢化というローカルな社会の変化を通して,都市に生活する精神障害者の状況を描写する。社会と文化の発展に取り残された障害者にとって,グローバリゼーションや情報技術がもたらす生活や文化はとりとめのない疎遠な風景にすぎない。それは高齢化社会に生きる人すべての未来図であり,その予想を覆すためには,人間にとっての自然な価値に基づく大きな物語を取り戻さねばならない。

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The liabilities of globalization; sceneries in the eyes of poor, elderly city dwellers
西川 隆
大阪府立大学大学院総合リハビリテーション学研究科