臨床精神医学第47巻第1号
ブレインバンクと遺体試料研究の倫理
電子書籍のみ
- 井上 悠輔(東京大学医科学研究所)
- 発行日:2018年01月28日
- 〈抄録〉
ブレインバンクでは剖検試料,すなわち解剖した遺体に由来する人体組織を研究の素材として用いる。他の遺体試料研究と多くの共通する課題を有しているほか,対象とする疾患に固有の背景問題もある。社会とブレインバンクとのつながりは,その多くが臨床現場における医療者と患者や家族との信頼関係によって支えられていることを前提としつつ,ここでは運営する者や研究者が直面する制度的な課題に重点を置く。主に倫理指針や死体解剖保存法との関係について検討するほか,2015年に示された学会主導の「ブレインバンク指針」についても言及する。
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Ethics issues in human brain tissue banking and cadaveric tissue research
井上 悠輔
東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター