臨床精神医学第53巻第10号
脳小血管病による血管性認知症の鑑別は適切に行われているだろうか?─脳微小出血所見を中心とした脳小血管病の検討:3症例の比較─
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- 林 眞弘・他(桜ヶ丘病院)
- 発行日:2024年10月28日
- 〈抄録〉
脳小血管病(cerebral small vessel diseae:CSVD)は血管性認知症の原因の約半数を占める。近年CSVDの特徴的所見である脳微小出血(cerebral microbleed:CMB)がMRIにて可視化できるようになり,脳内CMBの一定数以上(3~5個以上)の出現と認知・運動機能障害や感情障害の症状に密接な関連が指摘されている。今回提示した3例の頭部CT所見では虚血性変化が主病変と考えられたが,MRIによる検討では3例ともCMBを有し,CMBの出現数と分布が遂行機能障害,アパシーや歩行障害との密接な関連を認めた。CSVDはアミロイドβ蛋白,あるいは高血圧などの血管リスク因子のいずれかを主因とすることが多いが,いずれも症状は緩徐進行性を呈することが多く,早い段階の疾患把握が難しい。CMBをマーカーとした早期のCSVD診断と治療・対応にて,CSVDの予後が改善する可能性がある。
詳細
Is vascular dementia caused by cerebral small vessel disease being properly differentiated ? –examination of cerebral vessel disease focusing on the finding of cerebral microbleeds: comparison of three cases–
林 眞弘*1 小林 克治*2 東 光太郎*3
*1医療法人社団浅ノ川桜ヶ丘病院神経科・精神科
*2医療法人社団澄鈴会粟津神経サナトリウム精神科
*3医療法人社団浅ノ川浅ノ川総合病院放射線科