臨床精神医学第53巻第7号
ニューロモデュレーションにまつわる倫理的課題
電子書籍のみ

- 山﨑 龍一(東京慈恵会医科大学)
- 発行日:2024年07月28日
- 〈抄録〉
ニューロモデュレーションは,神経活動を調整する技術であり,精神医学領域では電気けいれん療法(ECT)や反復経頭蓋磁気刺激(rTMS),深部脳刺激(DBS)などが含まれる。これらは薬物療法が効果を示さない患者に期待され,精神疾患以外でもうつ病やパーキンソン病などへの応用が進んでいる。しかし,ECTのように迅速な効果が求められる治療では,インフォームド・コンセントが難しいケースもあり,実施のプロセスに困難な倫理的判断を要することがある。rTMS療法は限られた医療機関でしか保険診療が実施されず,治療機会の格差や質の担保されていない自由診療など課題がある。DBSは相対的に侵襲性が高いが,過去の精神外科などとの相違点をふまえ,バランスよく議論が展開されるべきである。技術の進歩に伴い新たな倫理的課題が生じるため,リスクとベネフィットを比較検討し,タイムリーに対応できる体制の整備が急務である。
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Ethical issues related to neuromodulation
山﨑 龍一
東京慈恵会医科大学精神医学講座