臨床精神医学第53巻第7号
うつ病rTMS療法の均てん化への道のり
電子書籍のみ

- 中村 元昭(昭和大学)
- 発行日:2024年07月28日
- 〈抄録〉
うつ病に対する反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)療法が保険適用されて5年以上経つが,日本では普及が進んでいない。精神科病院を中心に全国64機関に導入され,保険診療としてrTMS療法を受けた患者数は微増しつつも200~300人/年程度にとどまっている(米国では約9,000人/年)。その理由として,施設基準,実施者基準,診療報酬点数の3つの障壁があげられる。施設基準では診療所が対象外となり,実施者基準では精神科専門医の負担が大きく,診療報酬点数が低いため導入医療機関の経済的負担が大きい。これらにより,多くの医療機関はrTMSの導入を見合わせ,患者への普及が進まず,倫理を逸脱した自由診療が止まない。令和5年9月の適正使用指針改訂による実施者基準の緩和と令和6年度診療報酬改定による診療報酬点数の引き上げは追い風である。今後さらに均てん化が進みrTMS療法がより多くのうつ病患者に届くことを期待したい。
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The path to reduce disparities in rTMS therapy for major depression
中村 元昭
昭和大学発達障害医療研究所