臨床精神医学第53巻第7号

迷走神経刺激療法

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  • 井林 賢志・他(自治医科大学)
  • 発行日:2024年07月28日
  • 〈抄録〉
    迷走神経刺激療法(VNS)は,左頸部迷走神経を刺激し,てんかん発作を緩和する治療として開発された。その求心性刺激が延髄孤束核に到達後,ノルアドレナリン系,セロトニン系,アセチルコリン系等を経由し大脳皮質の広汎な安定化をもたらすことで,抗てんかん作用を発現するとされる。ヒト頭皮上からVNS誘発電位の計測が可能で,ラット聴皮質計測においては健常状態下での音刺激への周波数応答の向上を,誘発発作下では同期性の低下というホメオスタティックな作用を示す。開発から約40年経過し薬剤抵抗性てんかんに対する緩和治療としての位置づけが確立したが,VNSを題材とする論文数は近年も増加の一途を辿っている。特に,てんかん以外の分野,すなわち治療抵抗性うつ,脳卒中後リハビリテーション,頭痛などへの応用と有効性が報告されている。加えて,より低侵襲な刺激方法の開発と適用が試みられており,注目が続く脳刺激モダリティである。

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Current status of vagus nerve stimulation
井林 賢志 國井 尚人 川合 謙介
自治医科大学脳神経外科