臨床精神医学第53巻第7号

アルコール依存症に対する磁気刺激療法

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  • 中島 振一郎(慶應義塾大学)
  • 発行日:2024年07月28日
  • 〈抄録〉
    日本におけるアルコール使用障害(AUD)は約54万人に達し,治療成功後の長期断酒継続率が低く,革新的な治療が必要とされる。反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)療法は,治療抵抗性うつ病に対し保険承認されており,AUDに対しても飲酒欲求の抑制や多量飲酒日の減少に有効な可能性が示されている。安全性については,頭痛や頭部不快感が報告されているが,重篤な副作用はほとんど認められない。筆者らは,間欠性シータバースト刺激療法(iTBS)を用いた新たな治療法の開発を行っており,この治療法は短時間で神経可塑性を高める効果があり,治療時間が短いことが特徴である。本研究は,iTBS法の有効性と安全性を評価し,治療反応予測因子を探索することを目的としている。本研究では,20歳以上65歳未満のAUD患者を対象に,両側前頭極に対してiTBS法を適用し,24週時点での多量飲酒日数の変化を主要評価項目とする。本研究の成果は,患者個人の社会経済的負荷の軽減のみならず,社会全体におけるアルコール関連問題の軽減につながる可能性がある。

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Transcranial magnetic stimulation treatment for alcohol use disorder
中島 振一郎
慶應義塾大学医学部精神・神経科