臨床精神医学第51巻第1号

高齢者による介護殺人の特徴

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  • 田口 寿子(神奈川県立精神医療センター)
  • 発行日:2022年01月28日
  • 〈抄録〉
    家庭介護を担う高齢者による介護殺人には,男性による配偶者殺が多い(したがって被害者には女性が多い),親や子の殺害は女性によるものが多い,被害者の約半数が認知症である,加害者にも約半数に健康問題があり,特に女性の約半数がうつ状態であるといった特徴が認められる。被害者の心身の状態悪化(特に認知症のBPSDなど精神障害の悪化)やそれに伴う苦痛・希死念慮の訴え,加害者の心身の状態悪化(特にうつの発症)などが犯行の直接の契機となっており,判決ではこうした事情が考慮されて執行猶予の割合が高い。介護殺人を防止するためには,介護者・被介護者双方のメンタルヘルス不調への早期介入,特に男性介護者の事例,被介護者にBPSDなど対応困難な症状がある事例への支援のあり方の検討など具体的な対策とともに,高齢者が自己の尊厳を感じながら生を全うできる社会を作ることが必要である。

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Homicide and homicide-suicide committed by older family caregivers
田口 寿子
神奈川県立精神医療センター