臨床精神医学第51巻第1号

受刑者の高齢化―超高齢社会における高齢受刑者の現状―

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  • 小山田静枝・他,(さいたま市保健福祉局保健部健康増進課)
  • 発行日:2022年01月28日
  • 〈抄録〉
    わが国では平成以降刑務所内の高齢化が進み,その程度は諸外国との比較でも際立っている。高齢受刑者の特徴として,再入率の高さや窃盗が占める割合の高さが指摘されてきたが,近年では認知機能低下の問題も指摘されている。高齢受刑者の生活と処遇の現状をふまえると,本来の矯正処遇の目的が果たされているとはいい難く,高齢受刑者のさらなる実態把握と,それに基づく再犯防止策や矯正処遇の検討が求められる。初めて受刑した65歳以上の男性446人を対象とした筆者らの調査からは,経済的問題や社会的孤立,認知機能を含む心身機能の低下を抱えた者が相当数含まれ,これらの背景が犯罪の促進要因となっている可能性が示唆された。再犯防止には認知症の精査や,出所後に医療・福祉サービスとつなげる特別調整の拡大が期待される。また,罪種によるプロフィールの違いも認められ,重層的支援には高齢受刑者の多様な背景の検討が課題と考えられる。

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詳細

Aging prisoners -current status of the older adult prisoners in a super-aged society-
小山田 静枝*1,2 川西 智也*3
*1さいたま市保健福祉局保健部健康増進課
*2さいたま市こころの健康センター
*3鳴門教育大学大学院学校教育研究科