臨床精神医学第51巻第1号

高齢者の刑事責任能力―脳画像の役割を含めて―

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  • 村松 太郎(慶應義塾大学)
  • 発行日:2022年01月28日
  • 〈抄録〉
    法律は高齢者の犯罪に追いついていない。責任能力概念も,そして刑法そのものも,高齢者や認知症の犯罪が想定されない時代に設定されたものがそのまま継承されている。一方,ニューロサイエンスは高齢者の犯罪を追い抜いている。脳機能を前提としないで作られた法律を脳の時代に適用しようとすることの歪み,そして,法律への応用を前提としないで進歩したニューロサイエンスを法の世界に持ち込もうとすることの歪みが今,露わになってきている。だが,責任能力が精神障害と密着した概念であり,脳機能障害という視点を離れた精神障害というものは考えられない時代になった今,法廷へのニューロサイエンスの急速な導入は不可避である。心と呼ばれるものが脳機能の現れであって,したがって脳の病でそれらが崩壊することがあり得るという知識が広まれば,責任非難という概念の変革は必至である。高齢者や認知症の責任能力を問う刑事裁判は,その最前線にある。

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Criminal responsibility in the elderly-neuroimaging and responsibility assessments-
村松 太郎
慶應義塾大学医学部精神神経科