臨床精神医学第50巻第5号

成人期ADHDの薬物療法

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  • 岡田 俊(国立精神・神経医療研究センター)
  • 発行日:2021年05月28日
  • 〈抄録〉
    成人期ADHDは,気分障害や不安症の併存が多いことが報告されているが,これらの精神疾患のためにADHD症状が診断されにくかったり,横断像においてADHD様の不注意,多動性-衝動性を呈し得ることから,生育歴をもとに鑑別診断を適切に行う必要がある。精神疾患が前景に立つ場合には,その治療を先行させて,精神症状軽減後にADHDの有無を再確認する。ADHDが前景となる場合にはADHD治療を先行させてよいが,薬剤選択や副作用の観察においては,併存障害の臨床症状に与える影響を十分に考慮する。適切なADHD治療は,併存障害に悪影響を及ぼさないか,好ましい影響を及ぼし得る。ADHD治療の継続を巡っては,薬物療法の継続が再燃・再発を減少させる一方,生活の質には差がないことが報告されている。心理社会的治療を強化し,薬物療法からの離脱を図ることも大切であるが,現実には脱しきれないことも多い。その場合には,適切な臨床経過の評価のもとに患者と十分に話し合いを行いながら,治療上の意思決定を行う必要がある。

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Pharmacotherapy of adult ADHD
岡田 俊
国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所知的・発達障害研究部