臨床精神医学第50巻第4号

ADHDと双極性障害の併存

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  • 寺尾 岳(大分大学)
  • 発行日:2021年04月28日
  • 〈抄録〉
    ADHDと双極性障害の併存に関して,疫学や症候学,気質,臨床遺伝や遺伝子解析の観点から最近の文献をもとに考察した。臨床現場においては,まずは一元的に診断を考えるので,通常は双極性障害かADHDか鑑別してどちらかに診断しようとする。しかしながら両者は相容れないものではなく,併存を認めざるを得ないパターンがある。一つは,気分エピソードの波が大きく双極性障害と診断して治療をしていくうちに,波の上下の間からADHDの症状が見えてくるパターンである。もう一つは,恒常的な注意欠如や多動が前景に出ておりADHDと診断して治療をしていくうちに,気分の波が見えてくるパターンである。成人ADHDの多くにEmotional Dysregulation(反応性の攻撃性やかんしゃく)が伴うとされ,これは双極性障害のみならずADHDの気質としても注目される循環気質と気分の変動性から関連する。また遺伝研究から,ADHDと双極性障害に共通する遺伝的背景が考えられ,polygenic risk score を使った研究推進が期待される。

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Comorbidity between ADHD and bipolar disorder
寺尾 岳
大分大学医学部精神神経医学講座