臨床精神医学第50巻第4号
成人期のADHDの心理アセスメント
電子書籍のみ
- 稲田 尚子(帝京大学)
- 発行日:2021年04月28日
- 〈抄録〉
成人期の注意欠如・多動症(ADHD)のアセスメントツールとして,症状評価尺度および神経心理学的検査を概観し,臨床での応用に関して考察した。症状程度評価尺度にはASRS-v1.1(成人期のADHD自己記入式症状チェックリスト),CAARS(コナーズの成人期のADHD評価尺度),CAADID(Conners’ Adult ADHD Diagnostic Interview For DSM-Ⅳ),DIVA(成人用ADHD診断面接)がある。神経心理学的検査には,WCST(ウィスコンシンカードソーティングテスト),IGT(アイオワギャンブリング課題),CAST(標準注意検査)などがある。神経心理学的検査は,他の疾患にも用いられるため,単独では診断・評価には用いることはできず,症状程度評価尺度との併用が必要である。成人期のADHDは,他の発達障害や精神疾患の併存が多いため,包括的な検査バッテリーを組む必要がある。
詳細
Assessment for adults with attention deficit/ hyperactivity disorder
稲田 尚子
帝京大学文学部心理学科