臨床精神医学第50巻第3号
てんかん診療におけるリエゾン精神医学(psycho-epileptology)の実践
電子書籍のみ
- 谷口 豪・他(国立精神・神経医療研究センター)
- 発行日:2021年03月28日
- 〈抄録〉
てんかんはてんかん発作を主症状とする慢性の神経疾患であるが,高率に精神症状が合併する。精神症状はてんかんのある人のquality of lifeや発作コントロールにも影響を与える。合併する精神症状の診断や治療は精神科以外のてんかん診療医にとっては困難であり,精神科医が適切に診療連携することが求められる。今回はてんかんを専門にしない精神科医がてんかん診療医と連携して精神症状や心理社会的問題に対して診療するという,psycho-epileptologyのスタンスでの患者支援の仕方について述べる。てんかんの精神症状の診断においては発作や抗てんかん薬との関係を評価し,必要に応じて向精神薬を使用するが,その際は薬物相互作用やけいれん閾値への影響を考慮する。心因性非てんかん性発作の診療においては高度な診療と高度な治療をつなぎ,診断から治療が連続するような役割が精神科医には求められている。
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The practice of liaison psychiatry in epilepsy care: psycho-epileptology
谷口 豪 宮川 希
国立精神・神経医療研究センター病院精神科