肝胆膵第84巻第6号

膵神経内分泌腫瘍におけるソマトスタチン受容体(SSTR)の意義

電子書籍のみ

  • 渡邊 裕文,他(東北大学)
  • 発行日:2022年06月28日
  • 〈要旨〉
    Somatostatinは視床下部や消化管,膵といったさまざまな臓器に分布する神経内分泌細胞において産生,分泌されるペプチドホルモンである.そしてこのホルモンは全身に分布する内分泌細胞に存在するSomatostatin receptor(SSTR)を介して作用することでさまざまなホルモン分泌を抑制する.さらにsomatostatinは細胞増殖を阻害する作用もあることが最近明らかにされてきた.SSTRのsubtypeとしてSSTR 1~ 5 が今まで知られてきており,somatostatinが結合するとそれぞれ異なる作用を示すことも知られてきた.そしてこれらのおのおののsubtypeにより,somatostatin が標的細胞に与える影響は異なることから,標的細胞で一体どのsubtypeがどの程度発現しているのかを正確に把握することはsomatostatinの作用を理解するには欠かせない.一方でこれらsomatostatin の作用を応用して,半減期の長いsomatostatin analog(SA)製剤が開発され,現在では国内外でSA製剤は高分化型神経内分泌腫瘍(neuroendocrine tumor:NET)の治療薬として確立されている.SA製剤はsomatostatin同様に,SSTRに結合することで NET細胞におけるホルモン分泌を抑制することで臨床症状を改善する.さらにNET細胞の増殖抑制効果も示すことも報告されてきている.また,somatostatin に関連する薬剤として近年,somatostatin-based peptide receptor radionuclide therapy(PRRT)の有用性も注目されてきている.SA製剤,PRRTいずれにおいても,SSTRに結合することで効果を発揮することからNET患者の治療方針の決定にはSSTRの発現状況の検索は必須である.特にSSTRの中でもSSTR2発現の病理学的な評価は,上記の治療成績と密接な関連性が示されており,再現性のある定量的・半定量的な評価をいかにして行うかがこれまで以上に重要となってきた.そこで本稿では,pancreatic NETにおけるSSTR発現,特に臨床的な意義の強いSSTR2に着目して,その評価方法について,近年注目されているdigital image 解析を含めて議論していく.

電子書籍のご購入

1,324円(税込)

決済方法:クレジットカード
ご購入には会員登録が必要です
電子書籍の返品はできません

カートに入れる

デモ版ご確認のお願い

初めて電子書籍をご購入される際は、事前にデモ版をご覧いただき、ご利用される環境での動作確認を行ってください。

デモ版を見る

電子書籍の閲覧にはインターネットに接続された環境が必要です。オフラインではご利用いただけません。

電子書籍の動作環境

お気に入り登録にはログインが必要

詳細

Clinicopathological importance of somatostatin receptor, especially somatostatin1 receptor 2 in pancreatic neuroendocrine tumor
渡邊 裕文 藤島 史喜 笹野 公伸
東北大学病院病理部