肝胆膵第84巻第2号
膵癌における線維性間質,線維芽細胞サブタイプの意義
電子書籍のみ
- 眞杉 洋平(慶應義塾大学)
- 発行日:2022年02月28日
- 〈要旨〉
膵癌は,線維芽細胞・細胞外マトリックス・免疫細胞・血管などから構成される豊富な線維性間質を有するという特徴をもつ.膵癌組織の大半を占める間質や免疫系の研究が急速に進み,ヒト膵癌間質の腫瘍間および腫瘍内多様性が近年クローズアップされている.さらに,微小環境を標的とした新規治療の開発も盛んに行われ,一部の臨床試験で有効性が示されつつある.本稿では,膵癌間質の主成分である,細胞外マトリックスならびに線維芽細胞について,膵癌の悪性化・免疫制御・治療抵抗性などにかかる線維性間質の意義,間質標的療法の可能性について,最近の知見を紹介しつつ解説する.
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Desmoplastic stroma and fibroblast subtypes in pancreatic cancer
眞杉 洋平
慶應義塾大学医学部病理診断部