肝胆膵第84巻第2号

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  • 特集/膵癌診療のパラダイムシフト
  • 発行日:2022年02月28日
  • 〈企画趣旨〉
    「切除可能か否か」はいまだに膵癌の予後を規定する最も重要な因子である.小膵癌の兆候を如何に拾い上げるかということは重要な命題であり,画像診断や内視鏡技術の進歩,穿刺組織診の普及,新規バイオマーカーの開発も相まって,膵癌の早期診断は変革の時代を迎えている.一方,膵癌に対する化学療法の進歩に伴い,術前治療が治療戦略上で中心的位置を占めるようになりつつあり,一部の症例にはコンバージョン手術も行われるようになってきた.また,NCCNガイドラインで以前より推奨されていた,膵癌に対する遺伝子プロファイリングの取得,生殖細胞系列遺伝子検査についても,近年のゲノム医療の急速な普及により,本邦においてもようやく身近なものとなってきた.そうした中で,一部の膵癌症例でNTRK融合遺伝子,BRCA1/2遺伝子変異,ミスマッチ修復異常等に代表される,いわゆるactionableな体細胞遺伝子変異が検出され,実際に標的治療が行われる症例も蓄積されつつある.また最近では,膵癌組織の大半を占める間質や免疫系の研究が急速に進み,微小環境を標的とした新規治療の開発が盛んに行われており,一部の臨床試験で有効性が示されつつある.このようにさまざまな領域における革新的変化が組み合わさることにより,膵癌診療に大きなパラダイムシフトが訪れており,最新情報のアップデート,さらには近未来に訪れる可能性の高い変革に備えることは膵癌の日常診療を行う中で意義深いと考え,この特集を企画した.

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〈目次〉
〔巻頭言〕膵癌診療はパラダイムシフトしたのか? 東京医科大学 糸井 隆夫
Ⅰ.膵癌の早期発見,小膵癌の診断にむけた取り組み
 膵癌の検診・スクリーニング JA尾道総合病院 花田 敬士,他
 膵嚢胞性病変のサーベイランスの現状と問題点 東京大学 濵田 毅,他
 EUS-FNAによる膵癌診断 長崎大学 髙橋 孝輔,他
 膵癌の早期発見を目指したバイオマーカー開発 東京医科大学 吉岡 祐亮,他
Ⅱ.膵癌に対する治療戦略,治療効果判定
 切除可能膵癌に対する集学的外科治療 山形大学 元井 冬彦
 膵癌に対するconversion surgery 富山大学 星野 由維,他
 膵癌に対するロボット支援手術 東京医科大学 小薗 真吾,他
 膵癌に対する化学療法の進歩 杏林大学 廣田 玲,他
 膵癌に対する粒子線治療 群馬大学 岡本 雅彦,他
 術前補助療法後膵癌における組織学的治療効果判定 三重大学 臼井 美希,他
Ⅲ.膵癌におけるゲノム診療の現状と展望
 膵癌におけるゲノム診療 国立がん研究センター中央病院 池田 剛,他
 家族性膵癌 和歌山県立医科大学 川路 祐輝,他
 遺伝カウンセリング がん研究会有明病院 植木 有紗
Ⅳ.膵癌研究における最近の知見
 膵癌の免疫微小環境 国立がん研究センター中央病院 平岡 伸介
 膵癌における線維性間質,線維芽細胞サブタイプの意義 慶應義塾大学 眞杉 洋平
座談会 膵癌の診断・治療の近未来
 (司会)坂元 亨宇(慶應義塾大学)/眞杉 洋平(慶應義塾大学)/波多野 悦朗(京都大学)/正宗 淳(東北大学)