肝胆膵第82巻第4号
コラーゲン特異的分子シャペロンHsp47をターゲットとした線維化疾患治療戦略
電子書籍のみ
- 伊藤 進也,他(京都産業大学)
- 発行日:2021年04月28日
- 〈要旨〉
肝疾患が慢性化すると,肝星細胞の活性化を介し,線維性瘢痕の形成を伴う肝線維症に進行する可能性がある.肝線維化が進行する過程においては,筋線維芽細胞から分泌されるコラーゲンが過剰に蓄積する.このため,コラーゲン合成の抑制は線維化疾患治療戦略の一つとなっている.コラーゲン特異的分子シャペロンHsp47はコラーゲンの合成に必須の蛋白質である.Hsp47は線維化疾患でコラーゲンとともに発現が亢進しており,線維化疾患治療の分子標的とされてきた.現在,核酸医薬によるHsp47の発現抑制ならびに低分子化合物によるHsp47の機能阻害という2つのアプローチからHsp47を標的とした治療法開発が行われている.
詳細
Collagen-specific molecular chaperone Hsp47 as a therapeutic target for fibrotic diseases
伊藤 進也*1 永田 和宏*1,2
*1京都産業大学生命科学部
*2 JT生命誌研究館