肝胆膵第82巻第4号
肝臓オルガノイド技術の現状と展望
電子書籍のみ
- 長田 翔伍，他（東京医科歯科大学）
- 発行日：2021年04月28日
- 〈要旨〉
器官発生・再生における指導原理を試験管内で再構成することにより創出されるオルガノイドは，生命科学研究における画期的ツールとして期待されるばかりか，創薬研究や再生医療分野での実用化が待望されている．肝臓を対象としたオルガノイド研究においても，肝実質細胞と血管系細胞，間質系細胞，免疫系細胞など非実質細胞が構造化された組織創出技術が報告されつつある．しかしながら，肝臓オルガノイドの実用化を目指すためには，さらなる生物学的高次構造の付加に加えて，工学系技術などを駆使した微小環境の人為制御技術を統合して培養系を確立していくことが必須であると考えられる．本稿では，ヒト肝臓オルガノイド研究の最新動向と課題，さらに，将来的な臨床応用可能性についての展望を議論したい．
詳細
Organoid technology for liver model
長田 翔伍＊1 武部 貴則＊1,2,3
＊1東京医科歯科大学統合研究機構先端医歯工学創成研究部門創生医学コンソーシアム臓器発生･創生ユニット
＊2シンシナティ小児病院オルガノイドセンター
＊3横浜市立大学先端医科学研究センター