肝胆膵第81巻第3号
肝硬変合併門脈血栓症治療とサルコペニアの関係
電子書籍のみ
- 斎藤 聡,他(虎の門病院肝臓センター)
- 発行日:2020年09月28日
- 〈要旨〉
肝硬変に伴う門脈血栓症は造影CT検査を施行した,肝硬変の6%前後にみられ,急性型と慢性型に分類される.慢性型はその多くが,門脈本幹起始部付近を由来とし,形状はトルネード型を呈して,経過観察にて78%は緩徐に増大し,治療適応となり得る.治療には種々の方法が報告されているが,ダナパロイドナトリウム(DS)が有効であった.門脈血栓症は治療後にも高率に再発するが再治療にもDSが有効であった.一方,慢性肝疾患の6割は何らかの筋肉異常を合併し,サルコペニアは肝硬変がBMIや年齢とともに有意な要因であった.さらには,サルコペニア合併の門脈血栓症は予後が不良である可能性が考えられた.
詳細
Relationship between treatment of portal vein thrombosis and sarcopenia in patients with Cirrhosis
斎藤 聡 藤山 俊一郎
虎の門病院肝臓センター