肝胆膵第81巻第3号
プロテインC欠乏症と門脈血栓症
電子書籍のみ
- 海老沼 浩利（国際医療福祉大学）
- 発行日：2020年09月28日
- 〈要旨〉
門脈血栓症は，肝硬変では注意を要する合併症であるが，非肝硬変患者でも散見され，門脈圧亢進症や発達した側副血行路の原因となり得る．門脈血栓症の原因はさまざまであるが，その中に頻度は多くないもののプロテインC欠乏症をはじめとする遺伝性血栓症によるものが報告されている．先天性プロテインC欠乏症の特にヘテロ接合体型ではその活性が軽度低下していることから突然，門脈血栓症を発症することがあり，留意が必要である．また，肝機能が低下すると当然肝で産生されるプロテインCも低下する．門脈血栓症の患者に遭遇したら，プロテインC欠乏の可能性を頭に入れておく必要がある．
詳細
Portal vein thrombosis due to protein C deficiency
海老沼 浩利
国際医療福祉大学医学部消化器内科