肝胆膵第80巻第4号

肝細胞腺腫の臨床

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  • 有泉 俊一,他(東京女子医科大学)
  • 発行日:2020年04月28日
  • 〈要旨〉
    肝細胞腺腫(HCA)は,肝細胞由来の良性腫瘍性病変である.限局性結節性過形成(FNH)は,肝の再生性病変である.WHO分類第4版(2010年)により両者は肝細胞由来の上皮性良性腫瘍に分類された.改訂されたWHO分類第5版(2019年)でも同様に扱われた.いずれも若年の正常肝にみられる.本邦では,検診などで偶然発見されることが多い.造影CTやMRIの動脈優位相では多血性であり,増大することがあるため肝細胞癌との鑑別が問題となる.HCAは腫瘍出血や破裂の危険がある.また肝細胞癌合併の報告がある.しかしFNHは腫瘍出血や肝細胞癌の危険はない.HCAの遺伝子表現型による亜型分類は,免疫組織所見が異なるだけではなく臨床像や画像所見にも特徴がある.本稿ではHCAおよびFNHの臨床像や特徴を述べる.

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Clinical characteristics of hepatocellular adenoma
有泉 俊一 山本 雅一
東京女子医科大学消化器・一般外科