肝胆膵第80巻第4号

肝癌の治療からみた亜型分類

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  • 盛田 真弘,他(近畿大学)
  • 発行日:2020年04月28日
  • 〈要旨〉
    肝臓は人体最大の内臓臓器であるが,その肝臓に発生する肝細胞癌(以下肝癌と記載)は腫瘍の個数,腫瘍径,分布,肝予備能・肝外転移・脈管侵襲といったマクロな面だけではなく,病理形態・遺伝子異常といったミクロな面においてもヘテロな腫瘍であり,非常に多様性に富む腫瘍といえる.肝癌の治療についても薬物療法の進歩によって多くの選択肢が得られるようになった.したがって病態×治療の組み合わせは必然的に多くなり,治療選択につながるフレームワークが必要とされる.現在,欧米を中心として広く用いられている肝癌のステージ分類であるBCLC分類は,stageごとに推奨治療が示されており,治療を選択するうえで有用な分類法といえる.しかし,intermediate stage に相当するBCLC-Bでは病態が多岐に亘ることから,最近の治療データや医療事情などを踏まえさらなる亜分類が提唱され,治療効果との関連に関する報告がなされている.一方,advanced stageにおける肝癌治療に関しては,肝移植についてミラノ基準以外にさまざまな基準が提案されており,本邦においても肝移植適応基準の変更がなされた.分子標的薬の臨床試験ではOS/PFSが注目されるが,サブグループ解析の結果示される予後規定因子が治療選択の一助となる可能性がある.本稿では治療面からみた肝癌の亜分類に関し,現在までに行われてきた臨床試験の成績を基にして概説する.

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Subtype classification of liver cancer from the viewpoint of treatment
盛田 真弘 西田 直生志
近畿大学医学部消化器内科