肝胆膵第78巻第5号

家族性膵癌における遺伝子変異

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  • 大本 晃弘,他(国立がん研究センター研究所)
  • 発行日:2019年05月28日
  • 〈要旨〉
    家族性膵癌は第1度近親者に2名以上の膵癌患者がいる家系に発症する膵癌と定義され,遺伝学的に均一な集団ではない.網羅的なゲノム解析により,BRCA2,PALB2,ATMといった相同組み換え修復に関与する遺伝子の生殖細胞系列変異が,一部の家族性膵癌の発症に関連することが示唆されている.その一方で全体の80%以上の症例では病的変異は検出されておらず,原因遺伝子を同定するさらなる試みが行われている.新規治療や膵癌の高リスク症例に対する効果的なスクリーニングを検討するうえで,わが国の家族性膵癌家系の遺伝学的特徴を明らかにすることが重要である.

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詳細

Genomic variants in familial pancreatic cancer
大本 晃弘*1 森実 千種*2
*1国立研究開発法人国立がん研究センター研究所臨床ゲノミクス研究ユニット
*2国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院肝胆膵内科