肝胆膵第78巻第5号
進行胆道癌化学療法の最新臨床動向
電子書籍のみ
- 高原 楠昊，他（東京大学）
- 発行日：2019年05月28日
- 〈要旨〉
胆道癌は最難治癌の一つである．外科的手術が唯一根治を期待できる治療法であるが，切除不能例に直面することも多く，非外科的治療の発展が望まれる．現在，切除不能胆道癌に対する標準治療はゲムシタビン＋シスプラチン療法であるが，満足のいく治療成績は得られておらず，新たな治療開発が必要不可欠である．分子生物学の進歩により，腫瘍の発生に関与する遺伝子発現や増殖・進展につながるシグナル伝達に対する理解が深まり，免疫チェックポイント阻害剤などの分子標的治療薬の開発が進んでいる．胆道癌にもこれらの新しい薬剤を用いた臨床研究が行われており，殺細胞性抗癌剤を中心にした新規治療の開発と併せ，今後の展開が期待されている．
詳細
Current status of chemotherapy for advanced biliary tract cancer
高原 楠昊 中井 陽介 齋藤 圭 石垣 和祥 白田 龍之介 齋藤 友隆 水野 卓 木暮 宏史 多田 稔 小池 和彦
東京大学消化器内科