臨床精神医学第47巻第9号

被虐待児の長期的支援および予後

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  • 伊東 ゆたか(帝京大学)
  • 発行日:2018年09月28日
  • 〈抄録〉
    被虐待児の長期的予後については,うつ病,不安障害,物質依存,非行・犯罪などへの至りやすさに加え,虚血性心疾患,癌などの身体健康上の問題も大きいことが指摘されてきた。社会的養護から巣立った被虐待児では,低学歴,雇用条件の悪さ,生活保護の受給率や死亡率の高さなど生活基盤と健康上の脆弱さが示されている。彼らの児童福祉施設在籍中のメンタルヘルスの課題は大きいものの,退所後自ら精神医療を受けることは少なく,心身の不調や次世代への虐待リスクは高い。このような若者に対してのシームレスな社会的支援制度の整備が急務である。また近年米国で効果が示されているトラウマインフォームドケアの一つである「ARC(アタッチメント,自己調整,能力)の枠組み」を紹介し,若者が自らの不調を自覚して精神医療を利用できるよう,社会的養護にいる早い時期から,自己調整と問題解決などのスキル習得を目指した治療ケアが必要であることを強調した。

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The long term outcomes and the care of abused children
伊東 ゆたか
帝京大学医学部精神神経科学講座