臨床精神医学第47巻第9号
児童虐待に対する治療的介入
電子書籍のみ
- 小平 かやの・他（東京都児童相談センター）
- 発行日：2018年09月28日
- 〈抄録〉
虐待事例では，養育者側および子ども側が持つそれぞれの課題を視野に入れ，親子間の相互関係性についても焦点を当てながら，家族機能の改善を目指す治療的介入が求められている。これまでの児童相談所での取り組みでは，多職種が連携しながら，専門性を生かし，親子ともに時間をかけて回復していける治療構造を維持する支援が有効であったが，近年，海外で有効性が示されつつあるエビデンスに基づく治療法（EBT）として，TF-CBT，AF-CBT，PCITなどの実践も始まっている。従来の支援に，EBTなどの新しい要素が加わることで，事例に応じた治療的介入が，少しずつ実現可能となっており，今後も，虐待事例に対して，関係機関が連携しながら，各事例に対する適切な治療法を積み重ねていくことが重要と思われる。
詳細
Therapeutic intervention for child abuse
小平 かやの 佐藤 政子
東京都児童相談センター