臨床精神医学第47巻第9号

子ども虐待に関する公式統計からみたわが国の子ども虐待の現状と課題

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  • 西澤 哲(山梨県立大学)
  • 発行日:2018年09月28日
  • 〈抄録〉
    本稿では,厚生労働省が公表している子ども虐待の通告対応件数と,子どもの虐待死亡に関する統計資料の分析を通して,わが国の子ども虐待の現状と課題を検討した。虐待通告の状況から,DV目撃を心理的虐待に含めることの問題点が指摘された。また,米国の統計との比較により,わが国ではネグレクトと性的虐待の通告の割合が低いという特徴が指摘されたが,これは実態の反映ではなく,こうした虐待の過小評価の結果であると考えられた。虐待死亡事例に関しても,同様に過小評価の可能性が指摘された。厚生労働省の虐待死亡事例検証では,年間に約50人の死亡が報告されているが,医療機関調査では,年間の虐待死亡は約350人と推計されている。こうした統計数の乖離は,医療機関の情報が児童相談所に共有されていないことによるものと思われた。また,これまでの検証結果から,新生児や乳児の死亡が多いこと,ネグレクトによる死亡が少なくないことが指摘された。

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Present situation and challenges of child abuse in Japan: From the analysis of official reports
西澤 哲
山梨県立大学人間福祉学部