臨床精神医学第47巻第9号

子育てと児童虐待に関わる脳内回路機構─行動神経科学の視点から─

電子書籍のみ

  • 黒田 公美(理化学研究所)
  • 発行日:2018年09月28日
  • 〈抄録〉
    なぜ,子どもを虐待する親がいるのだろうか。親は,本能的に子どもをかわいいと思うものではないのか?という疑問を時に耳にする。本稿では,児童虐待に至る要因の理解を深めるため,まず哺乳類の子育て(養育)行動の概要と,養育行動に中心的な役割を果たす内側視索前野MPOAについて簡単にまとめる。次に,比較行動学的視点から,人間以外の哺乳類にも現象として共通する「子ども虐待」の種類・成因と,それぞれの場合に関連する脳神経機構について,最近の研究成果を交えながら紹介・考察する。最後に,ヒト以外の動物にみられる行動や現象だからと言って,現代の人間でそのような行動や現象が倫理的に容認されるものではないことは当然である。それだからこそ,特に現代においては,困難な状況に置かれた養育者の立場を社会が理解し支援する必要が高まっていることにも注意を喚起したい。

電子書籍のご購入

1,324円(税込)

決済方法:クレジットカード
ご購入には会員登録が必要です
電子書籍の返品はできません

カートに入れる

デモ版ご確認のお願い

初めて電子書籍をご購入される際は、事前にデモ版をご覧いただき、ご利用される環境での動作確認を行ってください。

デモ版を見る

電子書籍の閲覧にはインターネットに接続された環境が必要です。オフラインではご利用いただけません。

電子書籍の動作環境

お気に入り登録にはログインが必要

詳細

Behavioral neuroscience of parenting and child maltreatment
黒田 公美
理化学研究所脳科学総合研究センター親和性社会行動研究チーム