Bone Joint Nerve通巻第2号第1巻第2号
ビスフォスフォネートとSERMの使い分け
電子書籍のみ

- 岩本 潤(慶應義塾大学スポーツ医学総合センター)
- 発行日:2011年07月15日
- 〈抄録〉
骨粗鬆症治療において,死亡率を高めるとされる脊椎と大腿骨近位部の骨折を予防することが重要である.治療の目標は「骨折の予防」であるので,薬剤の選択はそれぞれの骨折予防効果をもとに行われるべきである.脊椎骨折を予防すべき患者に対してはアレンドロネート,リセドロネート,ミノドロネート,ラロキシフェン,バゼドキシフェンが,大腿骨近位部骨折のリスクが高いとされる患者に対してはアレンドロネートかリセドロネートが第1選択薬として考慮される.テリパラチドは骨密度増加や脊椎骨折予防に有用であるが,重症骨粗鬆症(T score < -3.5 で骨粗鬆症性骨折あり)やSERMおよびビスフォスフォネートに対するpoor responderがよい適応である.SERM とビスフォスフォネートの脊椎骨折予防効果は同等と考えられる.脊椎骨折を予防すべき患者に対する両薬剤の使い分けについては,内科,婦人科,整形外科では,受診する患者の特性が異なるため,副作用(上部消化管障害,ほてり,深部静脈血栓症)の回避を考慮に入れると,処方医の治療方針に依存するといえる.ビスフォスフォネート治療により大腿骨近位部骨折を予防することが重要であることは論をまたない.しかし,わが国では脊椎骨折の発生率が高いので,脊椎骨折予防効果の確認されたSERMの果たす役割も大きいといえる.
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Discrimination between bisphosphonates and SERMs in the treatment of postmenopausal osteoporosis
岩本 潤
慶應義塾大学医学部スポーツ医学総合センター