肝胆膵第76巻第3号

症例報告 巨大な退形成膵癌(破骨型多核巨細胞を伴う)の術後長期無再発生存例

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  • 浦出 雅昭,他(南砺市民病院)
  • 発行日:2018年03月28日
  • 〈要旨〉
    膵癌のなかでも特に悪性度の高い退形成膵癌の術後長期生存症例を経験した.症例は63歳男性で主訴は食思不振.膵尾部の17 cmの巨大な腫瘍が胃の後壁と左腎を圧排していた.膵体尾部切除術(脾臓合併切除)を施行後,術後の化学療法としてゲムシタビン 1,600 mg/body を3投1休(3週投与・1週休薬)で,1年間,計12クール施行した.再発がなかったので,ゲムシタビンを 1,000 mg/body に減量,投与間隔を1投1休(1週投与・1週休薬)に変更のうえでさらに1年間,化学療法を継続した.再発の兆候なく,術後7年間健在である.退形成膵癌は転移や局所の進行のために切除不能で剖検例の報告もあるなかで,本症例は切除症例であり,しかも貴重な生存症例である.予後不良の退形成膵癌であっても,病理学的に破骨細胞様の多核巨細胞の部分が混在していれば,治癒切除すれば長期生存が期待できる場合もある.

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詳細

Long survival case of huge pancreatic anaplastic cancer (osteocrast-like giant cell type) without recurrence after surgery
浦出 雅昭1) 羽場 祐介1) 北川 裕久2) 林 伸一3)
1) 南砺市民病院外科
2) 金沢大学医薬保健研究域医学系消化器・腫瘍・再生外科学(旧第二外科)(現在,富山市民病院) 
3) 富山大学大学院医学薬学研究部病理診断学講座(現在,高岡市民病院)