肝胆膵第76巻第3号

「推奨の強さ:なし,エビデンスレベル:なし,合意なし」このなんとも不思議なステートメントはなぜ誕生したのか

電子書籍のみ

  • 石井 浩(国立病院機構四国がんセンター)
  • 発行日:2018年03月28日
  • 〈要旨〉
    膵癌診療ガイドライン2016年版には,遠隔転移を有する膵癌に対する一次化学療法のステートメントが三つある.ステートメント1は全身状態良好例に対する強力な併用療法,2は全身状態不良例に対する単独療法と穏やかな併用療法のそれぞれ推奨文であり,双方とも推奨の強さは1,エビデンスレベルはA,合意率は100%で全く異論の余地がない.一方,ステートメント3は「FOLFIRINOX療法,またはゲムシタビン塩酸塩+ナブパクリタキセル併用療法を行うことが適さない患者に対して,ゲムシタビン塩酸塩+S-1併用療法を行うことを考慮してもよい」というなんとも微妙な提言である.しかも,この提言には「推奨の強さ:なし,エビデンスレベルはなし,合意なし」という摩訶不思議な注釈が付いている.このステートメント3はそもそも必要なのだろうか.なぜわざわざ膵癌診療ガイドライン2016年版に今回記載されたのだろうか.本稿ではその理由や背景についての解説を試みる.

電子書籍のご購入

1,324円(税込)

決済方法:クレジットカード
ご購入には会員登録が必要です
電子書籍の返品はできません

カートに入れる

デモ版ご確認のお願い

初めて電子書籍をご購入される際は、事前にデモ版をご覧いただき、ご利用される環境での動作確認を行ってください。

デモ版を見る

電子書籍の閲覧にはインターネットに接続された環境が必要です。オフラインではご利用いただけません。

電子書籍の動作環境

お気に入り登録にはログインが必要

詳細

The GS therapy: the stories behind the statement in GL2016: no recommendation/ no evidence and no consensus
石井 浩
独立行政法人国立病院機構四国がんセンター臨床研究センター