臨床精神医学第46巻第8号

研究報告 最重症剖検ナルコレプシー症例

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  • 鈴木 二郎(鈴泉クリニック)
  • 発行日:2017年08月28日
  • 〈抄録〉
    本報告は,ナルコレプシーとして世界最初の剖検例(1965年)(報告としては第4例目)である。男性,16歳時,バスケットボールで転倒,後頭部打撲,自力で帰宅,しかし翌日まで記憶なし。21歳時,電気工事中2万ボルト感電墜落意識消失。27歳頃,強い眠気で発症し,ついで意識を失う感じの強い睡眠発作,ヘビ,ネコなどの幻視の入眠時幻覚,睡眠麻痺,日中に強い脱力発作などが出現し悪化した。メチルフェニデート,イミプラミンなどで治療開始。7 年間,症状は一時は改善したが,次第に悪化し,多彩な幻視,幻聴,集会に自分も加わるせん妄状態などを示した。気脳写で軽度の全脳室拡大がみられた。最後は,高熱を発してチトクロームC静注なども試みたが,死去した。剖検を依頼し,結果は多臓器不全ではあったが,脳神経系には特段の異常は認められなかった。

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A narcolepsy patient of the most serious prognosis
鈴木 二郎
鈴泉クリニック