臨床精神医学第46巻第8号
研究報告 新規抗うつ薬で強い副作用が出現し低用量のイミプラミンへの切り替えが有効であった重症うつ病の1症例
電子書籍のみ
- 門脇 彩・他(大阪市立大学)
- 発行日:2017年08月28日
- 〈抄録〉
新規抗うつ薬が副作用により継続困難であり,効果も乏しかった重症うつ病患者に対して,低用量のイミプラミンが奏効した症例を経験した。昨今のうつ病の薬物療法では新規抗うつ薬が主流で,従来型抗うつ薬は新規抗うつ薬に比べて忍容性の観点から使用しづらい印象があるが,三環系抗うつ薬の方が忍容性に優れ,切り替えにより著明な改善をきたす症例も存在する。また,不安の強い患者において薬剤の増量が困難である場合には,事前に十分な説明を行う,緩徐な増量や予防的投薬により副作用を自制内にとどめる,錠剤の数や投与回数を減らすなどの工夫を凝らすことが有用であり,それが結果として薬物増量や治療成果に結びつくことが考えられる。
詳細
Efficacy of low dose imipramine for severe depression with serious side effects by second-generation antidepressants: A case report
門脇 彩 出口 裕彦 柳川 枝里佳 野木 優香子 井上 幸紀
大阪市立大学大学院医学研究科神経精神医学