臨床精神医学第46巻第8号
精神科臨床と「こだわり」
電子書籍のみ
- 青木 省三・他（川崎医科大学）
- 発行日：2017年08月28日
- 〈抄録〉
「こだわり」という日本語は多義的であり，否定的な意味でも肯定的な意味でも用いられることがある。本稿では，診断カテゴリーを超えて連続する，「こだわりスペクトラム」とでもいうべきものがあり，精神科臨床においてこだわりを軸に考える有用性を述べた。診断的には，こだわりの基礎疾患の鑑別は容易ではなく，こだわりの対象が移動し診断が変わる例があることなどを述べ，治療や支援としては，こだわりの対象を変える，こだわりの程度は変動する，こだわりに合わせる，こだわりを活かす，などに注目することを述べた。理解や治療・支援の際のキーワードとして，今後もこだわりをさらに考えていく必要がある。
詳細
“Kodawari” in psychiatric clinical practice
青木 省三 北野 絵莉子 村上 伸治 石原 武士
川崎医科大学精神科学教室