臨床精神医学第46巻第8号
脳損傷とこだわり
電子書籍のみ
- 上田 敬太(京都大学)
- 発行日:2017年08月28日
- 〈抄録〉
脳損傷例において,損傷後に「こだわり」傾向の増加を認めることがある。症状として強迫症と類似の症状のこともあれば,思考や行動の硬さと表現できるような変化の場合もあり,特に後者は,脳損傷に伴う古典的認知,あるいは社会的認知(情動認知)の障害が基盤となって生じているのではないかと考えられる。前頭葉の主な機能として,複数の選択肢から柔軟にその場にあった選択肢を選び出し実行する,ことがあげられ,この能力の低下に伴いこのような「硬さ」が見かけ上出現するのではないかと考えられる。
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Psychological rigidity in patients with brain damage
上田 敬太
京都大学医学部附属病院精神科神経科